公正証書ってなに?離婚公正証書の効果やメリットデメリットを解説! | 宇治エリアの不動産購入、売却、賃貸のことなら未来Designへ
公正証書ってなに?離婚公正証書の効果やメリットデメリットを解説!
「公正証書を作成した方がいいって聞いたけど、どんな効果があるの?」 「公正証書に期限があるって本当?」 公正証書が大切なことは知っていても、このように「どのように重要なのか」までは把握できていないという方も多いのではないでしょうか。 公正証書は不動産の売買やお金の貸し借りなどさまざまな場面で作成される公文書です。 今回は公正証書にどんな効力があるのか、作成するメリットやデメリットについて解説します。 また、公正証書の作成手順や注意点についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【公正証書ってなに?】
公正証書とは、公証人が当事者の依頼に基づいて作成する公文書のことです。個人の権利義務に関係する法律行為に関して、下記のような場面で作成されます。
・不動産売買
・お金の貸し借り
・離婚時の養育費や慰謝料の取り決め
・遺言
公正証書は法務大臣によって任命された元検事や元判事である公証人が作成しており、法律上の効力や証拠力が強い証書です。
効果的な公正証書が作成された事例として、「協議離婚」が挙げられます。協議離婚は、第三者を挟まずに夫婦の話し合いで離婚条件を決めるため、後々揉め事に発展することも少なくありません。 そのため、公正証書を作成して離婚条件を公文書にしておくことで、法的な証拠として残せるので離婚後の揉め事を回避できます。
【公正証書の4つのメリット】
ここでは公正証書の4つのメリットを紹介します。
①証拠能力が高い
公正証書の主な効力として「証拠力が高い」ことが挙げられます。
なぜなら、公正証書は当事者双方の意思や取り決めた内容を公証人が確認して、作成しているからです。印鑑証明書や免許証などを準備し、本人であることもしっかりと確認した上で作成しているため、信頼性が高いのです。
そして「その内容は知らない」「約束していない」など言い逃れされそうになっても、公正証書があれば安心です。
例えば、離婚の際に決めた慰謝料の金額を満額支払ってもらえていないときには、公正証書の内容を証拠として満額支払いを請求できます。
➁強制執行が可能
公正証書に「強制執行認諾約款」の文言を明記することで、裁判を行わずに強制的に執行の申し立てが可能です。
強制執行認諾約款とは、債務不履行の場合には強制執行を受けても異議はない旨を認めたものになります。
公正証書に強制執行するためには下記の条件を満たしている必要があります。
・強制執行認諾文言があること
・金銭債権であること
・金額が特定されていること
・支払い時期(分割払いの場合はその始期と終期)が特定されていること
③原本がしっかり保管されている
公正証書は原本を原則20年間は公証役場に保管しておく必要があります。そのため、万が一紛失や盗難にあっても再発行が可能です。
地震や洪水などの自然災害や、空き巣など自身に非がなくとも証書を紛失してしまう可能性もあります。そういった場合でも公用役場に原本が保存されているので安心と言えるでしょう。
④心理的圧迫の効果がある
公正証書は「相手の気持ちを焦らせる」効果があることもメリットの一つです。
取り決めた慰謝料の支払いが滞っている、金額が違うなどのことがあっても、口座の預金からお金を回収したり、給与の差押ができます。
これらを公正証書に証拠として明記しておくことで、相手にプレッシャーを与えることができるのです。
また、自身も「万が一支払いがなくても、公正証書によって請求できる」という安心感もあるでしょう。
【公正証書の2つのデメリット】
公正証書には「証拠力が高い」「強制執行力がある」などのメリットがある一方で、デメリットもあります。
公正証書の作成を依頼する時にはデメリットについても理解しておくことが大切です。
①費用がかかる
公正証書を作成するためには、財産額に応じて公正証書作成手数料を支払わなければいけません。
公正証書の作成費用は「公証人手数料令」にて定められており、公正証書の目的価格によって異なります。
目的価格とは、その行為によって得られる一方の利益を金銭で評価したもので、法律行為に関する証書作成の基本手数料は以下の通りです。
出典:法律行為に関する証書作成の基本手数料|日本公証人連合会 交渉事務
上記の通り、目的価額によって手数料は大きく変わります。
離婚に伴う慰謝料の場合、目的価格は100万円〜300万円ほどが相場となるので、手数料は11,000円になるということです。
➁公証人に全て話す必要がある
公正証書は公証人に作成してもらわなければいけません。そのため、必要な情報を全て伝える必要があります。
離婚の場合は、夫婦で話し合って決めた公正証書の内容を、公証人に確認してもらいながら「なぜこの内容になったのか」まで伝えます。
その際には離婚になった経緯や原因も話すため、どちらかの不貞行為が原因の場合は恥ずかしい思いをするかもしれません。
もちろん、公証人には守秘義務があるので口外される心配は不要です。
【離婚で公正証書を作成する際の流れ】
ここでは離婚で公正証書を作成する際の流れを紹介します。
①夫婦で話し合って原案を作成する
まずは、夫婦で公正証書の内容を決めていきましょう。内容は下記のようなものがあります。
・親権について
・養育費や慰謝料について
・財産分与の対象について
内容がある程度決まったら、離婚公正証書の原案を作成します。
ここで内容をしっかり決めておくことが、その後の手続きをスムーズに進めるためのポイントです。
➁公証役場で相談する
原案の作成ができたら、次は公証役場で事前相談や事前協議を行います。
どうしても時間が取れないときは電話やメールでの相談も可能です。
公証役場で原案を提示して、公証人に内容を確認してもらいます。
このときに、公証人から内容について詳しく問われることもあるので、しっかり整理しておいてくださいね。
③公証役場に必要書類や手数料を持参する
ある程度内容がまとまったら、公証役場で行う離婚公正証書の作成日を決めます。
作成日には、運転免許証などの顔写真付き身分証明書・夫婦の戸籍謄本(全部事項証明)・認印または実印、の3つは最低限必要になるので忘れずに持っていきましょう。
これら以外にも必要書類等はないか、事前に確認しておくと安心です。
④離婚公正証書の完成
公証人の前で内容の読み合わせを行い、当事者と夫婦による署名捺印作業を行います。
その場で手数料を支払い、離婚公正証書謄本を受け取って完了です。
【公正証書の3つの注意点】
最後に公正証書を作成する際の注意点を紹介します。
時間がかかる可能性がある
離婚公正証書の場合、作成を申し込んだ当日に完成することはほぼありません。
公証役場で受付を行い、他の依頼と合わせて公証人は申込順に対応していきます。
また、提出された公正証書の原案を確認し、不備がないか確認したり、誤字脱字を訂正したりなどの調査・添削作業を時間をかけて行います。
どうしても急いで離婚公正証書が必要な場合は、公証人に相談してみるのもいいでしょう。
公正証書の作成に時間がかかる主な要因は事前準備不足です。
公正証書の作成を決めたらすぐに準備に取り掛かると、その後もスムーズに進められるでしょう。
一度作成すると撤回できない
離婚公正証書は当事者の同意がなければ撤回できません。
なぜなら、離婚公正証書は契約書の一種であり、その内容は当事者を拘束しているからです。
後になって公正証書の内容を変更したいと思っても、相手が同意しない限り変更できないので注意しましょう。
強制執行するためには必ず文言を記載する
公正証書はどんなものでも強制執行力があるわけではありません。
強制執行できるものは限られていて「当事者が本書に定める義務履行を怠った場合、直ちに強制執行ができることを承諾する」などの強制執行認諾文言が記されているもののみが対象です。
この文言がなければ強制執行はできないので覚えておきましょう。
まとめ
公正証書とは、当事者が取り決めた内容について、公証人が書証として作成し内容を証明する書類のことをさします。作成は当事者が原案を考え、公証役場にて申込後に進められます。
公正証書には「証拠力」や「強制執行力」などのメリットがある一方で、費用がかかるなどのデメリットもあるので注意してください。
離婚公正証書については、2人で決めた内容について後から揉めたくないという方は作成しておくと安心です。
デメリットについてもよく理解したうえで、安心材料の一つとしてぜひ公正証書の作成を検討してみてくださいね。
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