不動産購入に役立つ基礎知識|契約後に絶対知っておきたい基本用語5選 | 宇治エリアの不動産購入、売却、賃貸のことなら未来Designへ
不動産購入に役立つ基礎知識|契約後に絶対知っておきたい基本用語5選

不動産の契約が終わっても、登記手続きや税金の清算、建物の不具合など、気をつけるべきポイントはまだたくさんあります。こうした知識がないと、思わぬトラブルにつながることも。
前回の記事はこちら
【不動産用語⑥:売買契約(ばいばいけいやく)】

進学や就職などで一人暮らしをする人もいると思いますが、そもそもなぜ一人暮らしだと不安になるのでしょうか。ここでは、考えられる5つの要素と、それらを解消するコツについてご紹介します。
1. 売買契約とは
不動産における「売買契約」とは、家や土地を「売ります」「買います」と、お互いに約束することで成立する契約のことです。売る人が「この不動産を売ります」と言い、買う人が「その代金を払います」と約束することで、契約が成立します。 法律(民法555条)では、こうした契約は「お互いの気持ちが合意すれば成り立つ」と決められています。 家や土地の売買では、条件(価格や引き渡し日、支払い方法など)をしっかり書いた「売買契約書」を交わします。この契約書には法的な力があるため、とても大切です。
内容 | 詳細 |
---|---|
1.売買当事者の情報 | 売主・買主の氏名・住所・連絡先など |
2.不動産の表示 | 土地や建物の所在地、地番、家屋番号、種類、構造、面積など (登記簿上の情報を明記) |
3.売買代金 | 総額(消費税の有無も含む) 手付金の金額と支払時期 残代金の支払い方法・時期 |
4.引渡しの時期 | 所有権の移転日 鍵の引渡し日など |
5.登記手続き | 所有権移転登記を誰が、いつ行うか 登記費用の負担者(通常は買主) |
6.固定資産税等の清算 | 固定資産税・都市計画税の精算方法(引渡し日で日割り精算など) |
7.手付解除の条件 | 解約手付としての金額 契約解除の可否と期限 |
8.契約違反と損害賠償 | 違約金の額や損害賠償の取り決め |
9.瑕疵担保責任(契約不適合責任) | 売主が引渡した不動産に欠陥があった場合の対応や責任期間 |
10.引渡し前の危険負担 | 引渡し前に災害等で物件が損傷した場合の責任の所在 |
11.ローン特約(住宅ローン条項) | 買主が住宅ローンを利用する場合の融資未成立による契約解除の条件 |
12.その他特約事項 | 界確認や建物解体、残置物処理など物件に特有の取り決め |
13.仲介業者の情報(媒介契約) | 不動産会社名、宅建業免許番号、報酬額など |
このように、売買契約書は不動産取引における「取り決めのすべて」を明文化する重要書類です。
物件や取引の状況に応じて特約が加わることも多いため、署名前に内容をよく確認することが大切です。
必要であれば専門家(宅建士や司法書士)への相談もおすすめします。
そして、契約後に「登記(とうき)」という手続きをすることで、正式に持ち主が変わることになります。
2.確認チェックポイント
【売主が確認すべきこと】
家や土地を売るとき、売主は契約書にいくつか大事なことをきちんと書かなくてはなりません。
もし引き渡した不動産が契約と違っていた場合(たとえば雨漏りや設備の故障など)、
買主は修理を求めたり、代金の一部返金や契約のキャンセル、損害の補償を求めることができます。
売主はこの責任の内容や、いつまで責任を負うのか(たとえば「引き渡しから3か月以内」など)を
契約書に書いておく必要があります。
• 設備の内容や状態の説明
エアコンや給湯器など、家にある設備について「ある・なし」や「動く・壊れている」といった状態を
正確に伝える書類を出します。ごまかさずに、正しく記載することで後のトラブルを防げます。
• 修理が必要な場合の対応
もし建物に不具合があれば、引き渡す前に売主が直すのか、それともそのままの状態で引き渡すのかを
事前に決めて、おく事が大切です。
【買主が確認すること】
家や土地を買うとき、買主は次のようなポイントをしっかり確認しましょう。
• 住宅ローンの特約
ローンが通らなかったときに契約を無かったことにできるか(白紙解除)が重要です。
この特約がないと、ローンが組めなくても手付金を返してもらえないことがあります。
• 契約不適合責任の内容
もし物件に問題があったとき、売主がどこまで対応してくれるのか(修理や返金など)を
契約書で確認しておきましょう。責任の内容や期間がポイントです。
• 契約を解除できる条件
買主側の都合でキャンセルする場合は、違約金がかかることがあります。
キャンセルできる条件や費用についても、契約前にしっかり確認しておくと安心です。
• 引き渡しの条件や土地の境界
いつ物件が引き渡されるのか、隣の土地との境界がはっきりしているかなども重要です。
こうした点が曖昧だと、あとでトラブルになることもあります。
不動産の売買契約は、家や土地をやりとりする上でとても重要な書類です。売る人は「どんな物件か」「どこまで責任を負うか」を正しく伝えなければなりませんし、買う人は「ローンが通らなかったときの対応」や「契約を解除する条件」などをしっかり確認しておく必要があります。わからないところがあれば遠慮なく専門家に相談しましょう。お互いが納得して契約することが、後の安心につながります。 ※参考法令:民法555条、宅地建物取引業法37条
【不動産用語⑦:瑕疵(かし)】

1. 「瑕疵(かし)」ってなに?「契約不適合責任」とは?
「瑕疵(かし)」とは、本来あるべき状態の建物や土地に欠陥があることをいいます。
たとえば見た目ではわからない不具合、いわゆる「隠れた欠陥」も含まれます。
よくある例としては、
• 雨漏りやシロアリの被害
• 配管の破損やつまり
• 地盤沈下や家の傾き
• 建築できない土地、道路に接していない土地など法的な制限
などがあります。
以前は、こういった問題があった場合、「瑕疵担保責任」というルールで売主の責任が問われていましたが、
2020年4月の法律改正により、「契約不適合責任」という新しいルールに変わりました(民法562条~)。
契約不適合責任とは、契約で取り決めた内容(建物の品質や性能、使い方など)と違う状態で物件が引き渡された場合に、買主が売主に対して次のような対応を求めることができる制度です。
• 修理や交換などの「直してください」という請求(追完請求)
• 物件の価値が下がった分の「値引きしてください」という請求(代金減額)
• 契約そのものをなかったことにする(契約解除)
• 損害を補償してもらう(損害賠償)※ただし売主に過失がある場合のみ
重要なのは、「契約書に書かれていないこと」については、売主の責任を問うのが難しくなる場合がある点です。つまり、売主も買主も、契約内容をなるべく具体的にしておくことがトラブル防止につながります。
2.確認チェックポイント
【売主が気をつけたいこと】
・物件の状態をきちんと伝えることが大切です
雨漏りや過去の修理履歴など、知っている不具合は契約書や付属の書類にしっかり記載しておきましょう。「引き渡す時点での状態」が明確になっていると、あとで責任を問われるリスクが減ります。
・隠していた事実が後でトラブルになることも
欠陥があると知っていたのに黙っていた場合、損害賠償を求められたり、契約が無効になることもあります。事故物件など、いわゆる「心理的な問題」も含めて、誠実な対応が求められます。
・「現状有姿(げんじょうゆうし)売買」でも安心とは限らない
「今のままの状態で売ります」と書かれていても、買主が予想できないような重大な問題がある場合は、責任を問われる可能性があります。
【買主が気をつけたいこと】
・重要事項説明をしっかりチェックしましょう
建物の構造や設備の状態、修理履歴、土地の法的な制限などは、契約前に宅地建物取引士から説明があります。この説明書(重要事項説明書)は、しっかり読みましょう。
・契約書に書かれている「物件の内容や品質」をよく確認
何が「ちゃんとしている」といえるかは、契約書の内容が基準になります。たとえば「築20年・雨漏りなし・設備に不具合なし」と書いてあれば、それと違う状態なら責任を問うことができます。あいまいな表現ではなく、具体的に書かれていることが大切です。
・不具合に気づいたら、早めに行動を
もし引き渡し後に「契約と違う!」と気づいたら、原則として1年以内に売主へ連絡しなければなりません(民法566条)。入居後に気づいた不具合は、写真を撮るなどして証拠を残しておくと安心です。
3. トラブルを防ぐためにできること
「契約不適合責任」は、昔の「瑕疵担保責任」と比べて、契約の内容がより重視されるようになっています。売主は物件の状態をきちんと伝え、買主は契約内容をしっかり確認することが、トラブル防止の第一歩です。特に中古物件の場合は、目に見えない不具合がある可能性もあります。
そのため、契約書や重要事項説明書をよく読み、現地を見学し、必要があれば専門家に調査を依頼するなど、慎重な対応が大切です。 (※参考条文:民法562条~566条/宅地建物取引業法第35条)
【不動産用語⑧:所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)】

1. 所有権移転登記とは?
「所有権移転登記」とは、不動産の購入手続きの最後に行う大事な登記(とうき)のことです。 簡単に言うと、「この不動産は買主のものです」と、法務局に正式に登録する作業です。 不動産は登記をしないと、自分が本当の持ち主だと法律上証明できません。たとえば、登記をしないでいるうちに他の人が先に登記してしまうと、その人のものと見なされてしまうこともあるのです(民法177条)。 この手続きでは、物件の場所や売買の内容、買主の名前などが登記簿に記載されます。通常は司法書士という専門家に依頼して進めます。
2.確認チェックポイント
【売主が準備すること】
• 登記識別情報の提出(権利証)
売主がその不動産を持っている証明です。これがないと、追加の本人確認が必要になり、手続きが複雑に。
• ローンが残っている場合は抵当権の抹消
ローンの担保になっている不動産は、抵当権を消す登記(抹消登記)を同時に行わないと、買主に完全な所有権を渡せません。
• 印鑑証明書や本人確認書類の準備
印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが必要なので、早めの準備が安心です。
【買主が確認すること】
• 登記をしないと正式な持ち主になれない
不動産の引き渡しを受けても、登記をしなければ「法律上の所有者」とは見なされません。
• 登記費用の確認
登録免許税(固定資産税評価額×2%)と司法書士の報酬(5万〜10万円ほど)がかかります。一般的に買主の負担ですが、契約内容によって調整できる場合も。
• 登記は引き渡し当日に行うのが一般的
代金を支払ったその日に登記を済ませることで、他人に先に登記されるリスクを防げます。
• 司法書士選びは大切 登記手続きは専門的でミスが許されません。
不動産会社や金融機関が紹介する司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分で選ぶこともできます。
所有権移転登記は、不動産売買の「ゴール」であり、最終ステップです。
売主・買主どちらにとっても重要な手続きなので、書類の準備や登記のタイミングをしっかり確認して、安心・確実に取引を完了させましょう。(※参考法令:民法176,177、不動産登記令、不動産登記規則、登記官の運用通知)
【不動産用語⑨:インスペクション(住宅診断)とは?】

1. インスペクションとは?
インスぺクションとは、インスぺクター(既存住宅調査技術者研修を修了した建築士など)が
中古住宅の状態をチェックすることです。
目に見えない劣化や不具合がないかを調べてくれる「家の健康診断」のようなものです。
調査内容は以下のようなポイントです。
• 建物の基礎や柱などの重要な部分
• 外壁や屋根の傷み具合
• 雨漏りやシロアリ被害の有無 • 水道や排水管の劣化
• 室内の傾きや床のきしみ など
調査費用は3万〜8万円ほどで、基本的には目視や簡易な機器を使って、壊さずに行う「非破壊検査」が中心です。
2. 確認チエックポイント
【売主が注意すること】
• 調査の実施有無は重要事項説明に記載が必要
不動産会社との媒介契約時に「インスぺクションをするかどうか」を確認し、契約書に記載する義務があります(2018年4月法改正)。インスぺクション自体は義務化されているわけではありません。
• 調査をした場合は、報告書を買主に渡す必要あり
調査結果をもとに、価格設定や補修の提案をすることができます。
• 調査結果は告知義務にも関係
不具合がわかっていて黙って売ると、後でトラブルになるリスクがあります。
【買主が確認すること】
• 住宅の状態を事前に知ることで安心につながる
特に築年数が古い住宅では、外から見えない劣化があることも。インスぺクションを受けることで、将来的な修繕費の見通しも立てやすくなります。
• 調査がされていない場合、自分で依頼も可能
購入前にインスぺクションを依頼し、結果によって価格交渉や修繕依頼をすることもあります。
• 報告書は保険加入やリフォームの判断材料にも
「既存住宅売買瑕疵保険」に加入するには調査結果が必要になることが多く、購入後のリホーム計画の指針になる。
インスぺクションは、中古住宅を安心して買うための「見える化」ツールです。 売主にとっては信頼性アップ、買主にとっては納得のいく購入判断ができるメリットがあります。 購入前に調査を受けるだけでなく、その結果をどう活用するかも重要なポイントです。
【不動産用語⑩:固定資産税・都市計画税(こていしさんぜい・としけいかくぜい)】

1. 固定資産税・都市計画税とは?
固定資産税とは
土地や建物などの「固定資産」を所有している人に対して、毎年1回、市区町村から課税される税金です。
• 課税対象:土地・建物・償却資産(事業用設備など)
• 納税義務者:その年の1月1日時点での所有者
• 納付先:市区町村 • 納付時期:年4回の分納(自治体によって異なります)
都市計画税とは
市街化区域にある不動産に対して課される税金で、まちづくり(道路整備・公園整備など)に使われます。固定資産税とあわせて請求されることが多く、納付書も一緒に届きます。
• 課税対象:市街化区域内の土地・建物
• 税率:標準で0.3%以内(自治体により異なります)
不動産を売ったり買ったりするときに、意外と見落としがちなのが「固定資産税」と「都市計画税」です。実はこの2つの税金、所有しているだけで毎年支払う必要があり、売買のタイミングによって「誰が、どの期間分を負担するか」が重要な確認ポイントになります。
2. 確認チエックポイント~売買時に注意したい「税の負担区分」
不動産を売る・買うときに注意すべきなのが、「その年の固定資産税・都市計画税は誰が払うのか?」という点です。
ポイントは以下のとおり
• 1月1日時点の所有者が、1年分を納税する義務がある
• ただし、実務上は「売買契約日または引き渡し日」で日割り精算をするのが一般的
つまり、たとえば3月に引き渡す場合でも、その年の1月1日時点での所有者(売主)が税金を支払いますが、売主と買主との間で負担を「公平に分ける」ため、日割りで清算するのが慣例です。
【売主側が確認しておきたいこと】
・税金の納付状況を整理しておく 1月1日以降に売却する場合、その年の税金は一度売主が支払う形になります。
買主との間で「引渡し日を基準に日割り清算する」取り決めをしておくとトラブルを防げます。
・契約書に清算の記載を明記
売買契約書や重要事項説明書に、「固定資産税・都市計画税の清算方法」が記載されているか必ず確認しましょう。
【買主側が確認しておきたいこと】
・ 税金の負担があることを理解する 不動産を購入したからといって、その年の税金をすぐに支払うわけではありません。ただし、売主と日割り清算するケースが多く、引き渡し日以降の分を負担することになります。
・ 清算金がいくらになるか確認
日割り計算で数万円〜十数万円になることもあります。初期費用の一部として事前に把握しておくと安心です。
固定資産税と都市計画税は、不動産を所有している限り毎年支払う必要がある税金です。
不動産売買では、税の納税義務が誰にあるのか、そしてそれをどう負担するかが重要なポイントになります。トラブルを避けるためにも、売主・買主の双方で事前に確認し、契約書に明記することが大切です。わからない点は、遠慮なく不動産会社にご相談しましょう。 (※参考法令:地方税法第341条~367条、地方税法第702条の3~第702の8、都市計画法第1条他)
まとめ
不動産取引は人生の中でも大きなイベントです。専門用語を正しく理解することで、より納得のいく判断ができるようになります。今回ご紹介した「売買契約」「所有権移転登記」「固定資産税」「都市計画税」「インスペクション」は、いずれも実際の取引でよく出てくる用語です。 言葉の壁を越えて、正しい知識を持つことが、安心・安全な住まい選びへの第一歩です。
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