借地借家法とは?契約トラブルを防ぐための基礎知識をわかりやすく解説 | 宇治エリアの不動産購入、売却、賃貸のことなら未来Designへ
借地借家法とは?契約トラブルを防ぐための基礎知識をわかりやすく解説

賃貸住宅の契約や、土地を借りて建物を建てる「借地契約」では、必ず関係してくるのが「借地借家法」です。 この法律は、借りる側(借主)の生活や営業の安定を守るためのルールを定めており、賃貸トラブルや更新時の交渉にも大きく関わります。 この記事では、借地借家法の基本から、契約時に注意すべきポイントまで、わかりやすく解説します。
1.借地借家法とは?どんな契約に関係する法律?
借地借家法(しゃくちしゃっかほう)は、土地や建物の賃貸借契約を定める法律です。1992年に旧・借地法と借家法を統合して施行された特別法です。 大きな特徴は、借主(住んでいる人や事業者)を保護する内容が多く盛り込まれていること。民法(601条)の一般的な賃貸借契約よりも、貸主が一方的に契約解除できないなどの制限があることです。
2.借地契約と借家契約の違いとは?

借地借家法の対象となる契約には、主に以下の2種類があります。
普通借地権とは?
普通借地権は、建物の所有を目的として土地を借りる契約のうち、契約期間満了後に更新が可能な借地権を指します。借地借家法に基づき、借主の権利が強く保護されているのが特徴です。
◎契約期間
・初回契約期間は30年以上と定められており、当事者が合意すればこれより長い契約も可能です。 ・更新後は原則20年以上の契約期間となります。
◎更新について
・契約期間が満了しても、借主が引き続き借地を利用したい旨を表明すれば、自動的に更新されるのが原則です。
・地主(貸主)側が更新を拒否するには、「正当事由(しょうとうじゆう)」が必要です。たとえば、土地の利用目的が変わる、借主が賃料を長期間滞納しているなど、客観的に見て正当な理由がなければ更新拒否はできません。
◎借主に有利な点
・契約更新が繰り返し可能なため、長期にわたって安定的に土地を利用できるのが最大のメリットです。
・建物を新築・改築しても更新権は維持されるため、借主は安心して住宅や店舗を構えることができます。
定期借地権とは?
賃定期借地権は、契約期間が満了すると必ず終了する借地契約です。普通借地権のように更新はされず、契約期間が終われば借主は土地を明け渡す義務があります。
◎種類と契約期間
定期借地権にはいくつかの種類がありますが、以下が代表的です:
一般定期借地権
・契約期間:50年以上
・住宅や商業ビルの建設に利用される
・契約終了後は建物を取り壊して返還が原則
建物譲渡特約付き借地権
・契約期間:30年以上
・契約満了時に建物を地主に譲渡することを特約とする
・地主が建物を取得する代わりに、土地の明け渡す際に建物を解体する手間が省けます。
事業用定期借地権
・契約期間:10年以上50年未満で更新はなし
・事業用建物(店舗・事務所など)のみ利用可能
・公正証書による契約が必要
◎特徴とメリット
・契約終了時には必ず土地を返還するため、地主にとっては将来の土地活用の計画が立てやすくなります。
・その分、地代が普通借地権よりも安く設定される傾向にあり、借主側も初期費用を抑えられることがあります。
・土地を「一時的に使いたい」人や、「更新手続きが面倒」と感じる借主には向いています。
【比較表】普通借地権と定期借地権
項目 | 普通借地権 | 定期借地権 |
---|---|---|
契約期間 | 初回30年以上(更新可) | 一般定期:50年以上(更新不可) |
更新 | あり(借主の意志が優先) | なし(契約で終了) |
借主の保護 | 強い | 限定的 |
建物の取扱 | 自由に建替え可(制限はある) | 建物譲渡や解体が必要 |
主な用途 | 居住・事業用ともに幅広く | 一時的利用や事業用など |
3.借家契約とは?普通借家と定期借家の違いをわかりやすく解説!

住宅やお店を借りるときには、建物の賃貸契約、つまり「借家契約(しゃっかけいやく)」を結ぶことになります。
この借家契約には、大きく分けて「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
それぞれ特徴やルールが異なり、契約後の暮らしや事業運営に影響してくるので、しっかり理解しておきましょう。
普通借家契約とは?(長く住みたい方におすすめ)
「普通借家契約」は、住まいを借りる契約の中で最も一般的な契約形態です。借主(住む人)の生活が安定するよう、法律で手厚く守られています。
◎特徴
・契約期間は基本的に1年以上で、多くは2年契約です。
・契約期間が終わっても、借主が住み続けたいと思えば、自動的に更新されるのが原則です。(しかし、多くの場合事前通知に伴う契約更新が必要です。)
・貸主(大家さん)が契約を終わらせたい場合は、「正当な理由」が必要になります(たとえば建物の老朽化や自己使用など)
◎借主にとってのメリット
・長く住み続けられる安心感があります
・もし退去を求められても、簡単には追い出されません。正当な理由がない限り、契約は更新されます
・立ち退きをお願いされる場合は、立退料の支払いが発生するケースもあります
定期借家契約とは?(期間が決まっている契約)
「定期借家契約」は、あらかじめ決められた期間だけ借りる契約です。契約の終わりがはっきりしていて、期間が過ぎたら必ず退去するルールになっています。
この契約は、2000年に導入された比較的新しい制度で、「期間限定で借りたい」「将来建て替える予定がある」など、短期的に貸したいときに向いています。
◎特徴
・契約期間は自由に設定できます(1年未満でもOK)
・契約期間が終わったら、自動更新はされません
・契約時に「定期借家契約であること」を書面で説明することが法律で決められています
・1年以上の契約では、契約が終わる1年前~6か月前までに「契約終了しますよ」という通知が必要です
◎借主にとっての注意点
・契約が終わったら引っ越さなければいけないため、長く住みたい人には向いていません
・契約更新ができないため、将来も同じ場所に住み続けたい人は注意が必要です
【比較表】普通借家契約と定期借家契約
項目 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
---|---|---|
契約期間 | 原則1年以上 | 期間の制限なし |
契約の更新 | 自動的に更新される | 更新なし、必ず終了 |
解約の条件 | 貸主に正当な理由が必要 | 契約期間が終われば終了 |
書面の必要性 | 書面または口頭でも可能 | 書面が必須+事前説明も必要 |
借主の保護 | 強い(居住安定を重視) | 限定的(期限付き) |
お部屋を借りるときは、契約書の種類によって将来の暮らし方やお店の営業計画が変わることもあります。 「長く住みたい」「安定してお店を運営したい」という方は、普通借家契約がおすすめです。 一方、「期間限定で借りたい」「数年後に引っ越し予定がある」という方は、定期借家契約も選択肢になります。
【関連法令】:借地借家法第22~26条
4.契約更新や解約で問題になる「正当事由」とは?

借地借家法では、貸主が一方的に契約を打ち切ることはできません。 特に普通借家契約・普通借地契約では、「正当事由(せいとうじゆう)」がなければ更新拒否・解約は認められません。
◎正当事由の例貸主自身が住む必要がある(居住目的)
建物の老朽化や取り壊しが必要
立ち退き料の支払いによる借主への配慮
このような事情が総合的に認められた場合のみ、契約終了が可能になります。
5.借地借家法に関わる最近の動き

借主の多様化(高齢者・外国人・単身者)にともない、以下のような柔軟な対応がされる事もあります。
・保証人不要制度や家賃保証会社の活用(通常は保証人が必要です)・高齢者向けの見守り付き住宅契約(介護支援事業との連携によるもの)
・外国人への多言語対応
これらは法改正ではなく実務対応の工夫ですが、借地借家法の基本ルールに乗っ取った上で適切に対応されるようになりました。
6.賃貸借契約書について

賃貸借契約書は、賃貸物件の貸主と借主が取り交わす正式な契約書で、家賃や契約期間、解約条件、原状回復の範囲などが明記されています。トラブル防止のため、契約前に内容をよく確認することが大切です。定期借家契約の場合は、再契約が必要であることや書面での契約が必須である点にも注意が必要です。近年では電子契約が広まり、パソコンやスマートフォンを使って契約手続きを行うことも可能になり、手続きが簡略化されています。
◎契約内容の確認の重要性賃貸借契約書には、家賃・敷金・原状回復・解約条件など、トラブルになりやすい事項が細かく記載されています。署名前に必ず内容を読み、理解し、納得してから契約することが大切です。
◎電子契約の活用
2022年の宅建業法改正により、賃貸契約でも電子契約が本格的に解禁されました。書面でのやり取りが不要となり、パソコンなどで契約できるようになったことで、利便性が大きく向上しています。
7.契約書を細かくチェックする重要性

賃貸契約書は、借主と貸主の間で結ばれる「ルールブック」です。家賃や契約期間だけでなく、トラブルになりやすいお金のやりとりや退去時の対応なども定められています。一度契約すると原則として変更できないため、事前に内容を十分に理解し、納得してから署名・押印しましょう。
特に注意したいのが以下の3つのポイントです。①更新料の取り決め
更新料とは?
契約期間が満了したあと、同じ条件で再び契約を継続する場合に支払う費用です。家賃1か月分が一般的ですが、地域によっては発生しない場合や、金額に差があることもあります。
◎注意点
・契約書に「更新料が発生する」と明記されているか確認しましょう。
・「自動更新」「再契約」など表現にも注意。再契約の場合、手数料など別費用がかかるケースもあります。
・更新料の金額・支払い時期・支払い義務があるかどうかをはっきりさせておくことが大切です。
②敷金とその返還条件
敷金とは?
契約時に預けるお金で、退去時に部屋を原状回復する費用や、家賃滞納があった場合の補填などに使われます。何も問題がなければ、退去後に返金されるのが原則です。
◎注意点
・「敷引き(しきびき)」という制度がある地域では、敷金の一部が返金されないことがあります。
・契約書に「クリーニング代は借主負担」などと記載されている場合、それが差し引かれることがあります。
・返金時期や金額に関するトラブルも多いため、「いつ・いくら返ってくるのか」を明記しているか確認しましょう。
③原状回復の範囲
原状回復とは?
退去時に、部屋を借りた時の状態に戻すことです。ただし、「自然な経年劣化」や「通常使用による損耗」まで借主が負担する必要はありません。
◎注意点
国土交通省の「原状回復ガイドライン」によると、たとえば家具の跡や日焼けによる色あせなどは、借主の責任ではないとされています。しかし、故意によるもの、明らかに借り主の過失によるものはその限りではありません。
「タバコのヤニ汚れ」「ペットによる傷」などは、借主の負担になることが多く金額も、敷金による担保分を超えて高額になる可能性があるため要注意です。
契約書に「ハウスクリーニング費用は一律借主負担」と書かれているケースもあります。このような特約がある場合、その金額や内容をしっかり確認しましょう。
8.トラブルを防ぐためにやるべきこと

・入居前に写真を撮っておく
傷や汚れの有無を記録しておくことで、退去時のトラブル防止につながります。
・契約書の不明点は遠慮なく質問
少しでも不明点があれば、不動産会社や管理会社に確認しましょう。「わからないまま署名しない」が鉄則です。
・重要事項説明書もチェック
宅建士が説明する「重要事項説明書」は契約書と同じくらい重要です。敷金や更新料の扱い、退去時の費用負担についても記載されています。
まとめ

借地借家法は、住まいや店舗を借りる際の重要なルールブックです。
借主を守るための法律ですが、契約内容によっては不利になる場合もあるため、きちんと理解しておくことが大切です。
特に、近年はデジタル化や契約の多様化が進んでいます。トラブルを未然に防ぐためにも、不動産会社と相談しながら、契約内容をしっかり確認しましょう。
【関連法令】
・借地借家法|e-Gov法令検索
・定期借家制度とは?|国土交通省
・IT重説の概要|国交省
・標準契約書(賃貸住宅)|国交省
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