熟年離婚の現状とは?新しい夫婦の形「卒婚」についても詳しく解説! | 宇治エリアの不動産購入、売却、賃貸のことなら未来Designへ
熟年離婚の現状とは?新しい夫婦の形「卒婚」についても詳しく解説!
現在、日本では、女性の社会進出や長寿化により、熟年離婚が増加傾向にあります。また、戸籍上、婚姻関係を残したまま、夫婦で一定の距離を保ち自立して生活する「卒婚」という新しいスタイルも生まれています。
そこで今回は、熟年離婚の現状と、新しい夫婦の形である卒婚について、詳しく解説します。
熟年離婚の現状
長年連れ添った夫婦が離婚することを指す「熟年離婚」。一般的には、「婚姻年数20年以上の夫婦の離婚」を指します。近年、熟年離婚が増加している実態とその理由について、解説します。
増加している熟年離婚
厚生労働省の資料「令和4年度 離婚に関する統計の概況」によると、2020年(令和2年)の離婚件数は約19万3000組となっています。離婚件数の推移を見ると、2002年(平成14年)の29万組をピークに、現在は減少傾向にあります。(図1参照)
令和4年度 離婚に関する統計の概況「離婚の年次推移」より一部抜粋
一方、熟年離婚の件数はどのように推移しているのでしょうか。
下図を見ると、同居期間が20年以上の離婚は、1980年(昭和55年)頃から徐々に増加し始め、2020年(令和2年)では21.5%と過去最高の割合となっています。
令和4年度 離婚に関する統計の概況「離婚の年次推移」より一部抜粋
熟年離婚が増加している理由8つ
では、なぜ熟年離婚が増加しているのでしょうか。ここでは8つの理由について見ていきましょう。
①女性の社会進出の影響
離婚後は、男性も女性もそれぞれ生計を立てていかなくてはなりません。また、子育て中の方は、教育費用など多くの資金を工面する必要があります。
特に、専業主婦であれば、これらの経済事情を考慮して離婚することを諦めていた方もいるでしょう。しかし、女性の社会進出が一般的になり、女性一人でも自活することができるようになった現代では、離婚を選択しやすくなったのではないでしょうか。
②長寿化により、夫婦の生活も長期間になるため
日本では、長生きする人が増えました。長生きするということは、その分、夫婦で生活する時間も長くなるということです。元々、パートナーに不満があった方は、長生きすることによって我慢する期間も増えるため、離婚を決断する方もいるでしょう。
③義理の親との関係がうまくいっていないため
夫、妻との関係のみならず、相手の親との関係性がうまくいかず、関係性を解消したいために離婚を決断する方もいるようです。
④介護をしたくないから
パートナーの介護をしたくないという理由で、相手の介護が必要になる前(50代くらい)に離婚を考える場合もあるようです。
⑤子どもの後押しによって
婚姻期間が20年以上経っていると、子どもが独立している場合が少なくありません。子どもがある程度の年齢になっていると、「自分の幸せを考えて離婚したら」と、離婚の後押しをしてくれることもあるでしょう。
⑥世間体を気にしなくなった
一昔前であれば、離婚をすると近所の噂になったり、悪いイメージを持たれてしまうことがありました。しかし、近年では価値観の多様化などで世間体を気にする人が減ってきており、それにより離婚しやすくなっていると考えられます。
⑦出会いが増えた
近年、50代以上が利用できるマッチングアプリも増えており、熟年離婚してもお付き合いしたり結婚したりする相手を探しやすくなっています。
⑧コロナ禍の影響
コロナ禍によって夫婦一緒に過ごす時間が増え、「この人と一緒にいていいのか」と思い、離婚を考え始めた方もいるようです。
このように、熟年離婚が増えている背景には、さまざまな時代の変化が影響しているのです。
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新しい夫婦の形「卒婚」
熟年離婚が増えているだけでなく、新しい夫婦の形も登場しています。そのひとつが「卒婚」です。ここでは、卒婚とはどういったものなのか、またメリットとデメリットについて触れていきます。
卒婚とは
卒婚とは、婚姻関係を維持したまま、これまでの夫婦関係を見直し、互いに必要以上に干渉することなく自由を認め合って最低限のルールを守り、ゆるやかなパートナーシップを築いていくという新しい夫婦の形です。
卒婚を意識するタイミングとしては、
✔夫が定年退職を迎えた
✔子どもが成人・社会人になったり、結婚したりして自立した
✔夫婦それぞれが仕事をし、自立している
といった節目が考えられます。
卒婚は、法的な婚姻関係を継続している、という点で、離婚とは大きく異なります。
また、不仲になったわけではなく、愛情や尊敬の念を持ったまま、お互いの人格を尊重して自由を認め合うという関係性のため、「別居」や「家庭内別居」とは異なります。
卒婚のメリット
卒婚は、離婚のようにいろいろな手続きが発生するわけではなく、またその後の経済状況も変わらないため、多くのメリットがあります。ここでは主に、4つのメリットについてご紹介します。
①戸籍上の記載を変更しなくてよい
戸籍上の記載を変更する手続きを行わなくてよいことに加え、銀行などの名義変更手続きも不要です。
②夫婦の共有財産を維持することができる
離婚をすると、財産分与をして不動産を整理する必要があり、どちらか一方、もしくは夫婦二人ともこれまでとは違う家に住むことになります。しかし、卒婚であれば、夫婦で同じ家に住み続けることができます。
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③経済的な不安がない
生活費についてもこれまでと変わらないため、特に専業主婦の方の場合は、離婚のように経済的な不安を抱かずに済むでしょう。
④夫婦関係を再構築できる可能性がある
お互いに自立した関係を認め合い、自由になることで精神的な余裕ができ、心地のいい夫婦関係を築ける可能性があります。
卒婚のデメリット
卒婚には、もちろんデメリットもあります。ここでは、考えられる4つのデメリットについて見てみましょう。
①法律上では婚姻関係とみなされる
生活費の負担割合などについて夫婦間で合意することができるが、民法第754条により、夫婦間の契約はいつでも取り消すことができるため、守られないこともある。また、収入が高い方は、相手の分の生活費を支払い続けなければならない。
②自由に恋愛できるとは限らない
お互いの自由を認めると言っても、婚姻関係は継続しているため、第三者と肉体関係を持つと不貞行為となり、慰謝料を請求される可能性がある。
③卒婚が向いていない状況の場合も
戸籍上は夫婦のままなので、家庭内暴力や不倫などにより、「相手と一切関係をなくしたい」と思っている方には不向き。
④離婚を後押しする可能性も
自由な生活に慣れた結果、夫婦のどちらかが離婚を希望する可能性がある。
まとめ
さまざまな時代の変化により、熟年離婚が増加していることがわかりました。また、婚姻関係を維持したまま、一定の距離感を保って夫婦が自立して生活をする、卒婚についてもご紹介しました。
卒婚はメリットが多いように感じますが、相手としっかり話し合いができなかったり、愛情や尊敬の気持ちがなくなってしまうと別居や離婚につながってしまう可能性があります。
離婚と卒婚、両方のメリットとデメリットを把握した上で、夫婦お互いの人生がよりよいものとなるような選択をしていけるといいですね。
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